公開日 2026年7月9日 / 最終更新 2026年8月30日
「親が老人ホームに入ることになった」「子どもが独立したので小さな家に住み替えたい」——こうした人生の節目で家の売却を検討する方は増えています。この記事では、住み替え・介護施設入居に伴う不動産売却の流れ・費用感・注意点を解説します。
先に結論をお伝えすると、住み替えも老人ホーム入居も「タイミングと資金計画」が最大のポイントです。特に施設入居の場合は「入居日が決まってから慌てて売り始める」と希望の価格で売れないリスクが高まります。早めに家の価値を把握しておくことが、余裕ある資金計画の第一歩です。
まずは30秒で無料のAI査定!老人ホームや介護施設の費用は施設の種類によって大きく異なります。目安として把握しておきましょう。
仮に月20万円・10年間の施設生活なら、総費用は2,400万円になります。年金収入だけで賄えない分を、家の売却益で補う方は多くいます。「家の売却額でいくら補填できるか」を早めに試算しておくことが、入居後の家計安定につながります。
参考として、厚生労働省老健局委託の全国調査(2016年時点とやや古いデータですが、公的性の高い調査です)では、介護付有料老人ホームの総費用(月額換算)は平均約25.0万円、住宅型有料老人ホームは平均約11.8万円でした。前払金(入居一時金)0円のプランを選んだ方も、介護付・住宅型ともに約半数にのぼります。(出典:厚生労働省)
住み替え・入居資金の選択肢として、住宅金融支援機構の「リ・バース60」(満60歳以上向けのリバースモーゲージ型住宅ローン)もあります。毎月は利息のみを支払い、元金は借入人の死亡時に相続人が返済するか、担保物件の売却で返済する仕組みです。融資限度額は担保評価額の50%または60%(長期優良住宅は55%または65%)、上限1億2,000万円以内とされています。「売却して現金化する」方法と、「住まいを担保に資金を借りる」方法、両方を比較検討する価値があります。(出典:住宅金融支援機構)
判断能力が失われた方が所有する不動産は、本人名義のまま売ることができません。これは法律上のルールで、たとえ家族でも同意だけでは売却手続きを進められません。
家庭裁判所に後見人選任を申し立て、選ばれた後見人(弁護士・司法書士・家族など)が家庭裁判所の許可を得て不動産を売却します。手続きに数ヶ月かかること、売却先・価格に制約があること(裁判所の許可が必要)などを把握しておきましょう。
判断能力があるうちに「家族信託」を活用すると、信頼できる家族(受託者)が財産の管理・売却を担えます。後見制度と比べて自由度が高く、親の意思を反映した柔軟な対応が可能です。「親がまだ元気なうちに相談する」ことが最大のポイントです。
| 売り先行(今の家を売ってから買う) | 買い先行(先に次の家を買ってから売る) | |
|---|---|---|
| メリット | 売却額が確定してから予算を決められる。二重ローンのリスクなし | 気に入った物件をすぐ押さえられる。仮住まい不要 |
| デメリット | 売れてから買うため仮住まいが必要になることも。希望の物件が売れてしまうことも | 売れない間は二重ローン。売却が長引くと家計を圧迫 |
| 向いている人 | 資金の見通しを確実にしたい人・ローン残債が残っている人 | 次の住まいが決まっている人・資金に余裕がある人 |
一般的には「売り先行」が安全とされています。買い先行は「売れない間の二重ローン」リスクがあり、特に残債が多い場合は家計への影響が大きくなります。ただし「この物件しかない」という理想の住まいが見つかった場合は、つなぎ融資(短期間のつなぎローン)を活用して買い先行にする選択肢もあります。
| 仲介(市場で買い手を探す) | 買取(業者が直接買い取る) | |
|---|---|---|
| 期間 | 3ヶ月〜1年以上。入居日・引き渡しスケジュールと合わない場合がある | 最短数週間〜1ヶ月。施設入居・住み替えスケジュールに合わせやすい |
| 価格 | 市場価格を狙えるが、値下がり・売れ残りリスクあり | 市場価格より低め(目安65〜85%)だが確定額。資金計画が立てやすい |
| 手続きの煩雑さ | 内見対応・価格交渉・契約手続きなどが続く | 業者との直接契約で完結。家族の負担が少ない |
| 現状渡し | クリーニング・修繕が求められる場合がある | 基本的に現状渡しOK。残置物があっても相談可能 |
住み替えや施設入居の場面では、「いつまでに売れるか」が「いくらで売れるか」より重要になるケースが多くあります。「入居日が決まっているのに家が売れない」という状況は、施設の部屋を確保できないリスクや、二重支払いの負担につながります。スケジュールの確実性を重視するなら、買取が有力な選択肢です。
30秒AI査定で売却相場を確認する| 状況 | 向いている選択・動き方 |
|---|---|
| 入居日・引き渡し日が決まっている | 買取(最短数週間・確定額) |
| できるだけ高く売って資金を確保したい、時間に余裕がある | 仲介 |
| 親の判断能力が心配、まだ元気なうち | 家族信託を検討 |
| すでに判断能力が低下している | 成年後見制度の利用を検討(家庭裁判所の許可が必要) |
| 売却より住宅ローンで資金を確保したい(60歳以上) | リ・バース60(リバースモーゲージ)を検討 |
出典:国税庁 No.3302「マイホームを売ったときの特例」/法務省「成年後見制度・成年後見登記制度」/厚生労働省老健局委託「高齢者向け住まい及び住まい事業者の運営実態に関する調査研究報告書」/住宅金融支援機構「リ・バース60」(2026年8月時点。制度の詳細および最新の要件は各機関の公表内容をご確認ください)
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