📩 買取査定を申込む 🏢 不動産会社様はこちら

愛知県・名古屋の人口動態
【この10年で何が変わったか】

公開日 2026年8月22日 / 最終更新 2026年8月22日

2025年の国勢調査で、愛知県の人口は1950年以降で初めて減少しました。ただし世帯数はまだ増え続けており、人の出入りだけを見れば愛知県はいまも「入ってくる県」です。この記事では、愛知県69市区町村の10年間の人口動態を一次情報だけで整理し、それが名古屋・愛知で家を売るときの判断にどう効くのかを、図解6点とともにまとめます。

この記事の結論
  • 愛知県の人口は7,449,403人(2025年10月1日)。5年で93,012人・1.2%減り、1950年以降の国勢調査で初めての減少に転じた。
  • それでも世帯数は3,350,190世帯で5年前より3.5%増えている。住宅の必要戸数はまだ減っていない。ここが不動産にとっていちばん大事な数字。
  • 減っている理由は自然減(死亡が出生を年37,252人上回る)で、人の出入りはむしろ4年連続の増加。日本人の移動でも2025年は6年ぶりの転入超過だった。
  • 69市区町村の増減率は+15.6%(名古屋市中区)から−17.9%(豊根村)まで33.5ポイント開いている。県平均で自分の物件を判断しない。
  • 2050年までに減るのは働く世代(約100万人減)で、65歳以上は約40万人増える。売り手と買い手の数が逆向きに動く。
まずは30秒で無料のAI査定!
(個人情報必要なし)

愛知県の人口は、1950年以降で初めて減った

2026年5月に公表された令和7年国勢調査の人口速報集計で、愛知県の人口は7,449,403人となりました。全国4位という位置は変わっていませんが、2020年からの5年間で93,012人(1.2%)の減少です。愛知県は「1950年以降で、国勢調査結果としては初めての減少」と発表しています。

調査年人口5年間の増減増減率
2010年7,410,719人
2015年7,483,128人+72,409人+1.0%
2020年7,542,415人+59,287人+0.8%
2025年7,449,403人−93,012人−1.2%

押さえておきたいのは、愛知県はつい5年前まで増えていた県だということです。人口減少が何十年も続いてきた地域とは、いま起きていることの意味が違います。増加から減少へ切り替わった直後の県では、伸びている場所と縮んでいる場所の差がいちばん激しく開きます。この記事の後半で見る69市区町村の33.5ポイントの開きは、その表れです。

減った理由は自然減。人はむしろ入ってきている

愛知県が毎年公表している人口動向調査(2024年10月から2025年9月までの1年間)を見ると、人口減少の中身がはっきりします。出生47,059人に対して死亡84,311人。この差である37,252人の自然減が、減少の唯一の原因です。転入・転出のほうは25,805人の増加で、しかも4年連続の社会増でした。

図1 愛知県の人口が減った理由(2024年10月〜2025年9月)

自然減が社会増を上回った分だけ人口が減っている。人の出入りだけを見れば、愛知県はまだ増えている。

社会増25,805人は、自然減37,252人の約69%を打ち消している。差し引きの減少は11,447人(0.15%)にとどまる。
数値を表で見る
区分人数
出生数47,059人
死亡数84,311人
自然増減−37,252人
転入数(県内移動を含む)403,559人
転出数(県内移動を含む)374,647人
社会増減+25,805人
うち県外からの転入193,186人
うち県外への転出163,757人
差し引きの人口増減−11,447人

出典:愛知県「あいちの人口 愛知県人口動向調査結果 年報(2025年)」

10年前の愛知県は、まだ「自然増」の県だった

厚生労働省の人口動態統計で10年前と比べると、変化の速さがわかります。2015年の愛知県は出生65,615人・死亡64,060人で、1,555人の自然増でした。それが2024年には出生45,514人・死亡82,618人となり、37,104人の自然減です。

10年で出生は20,101人(30.6%)減り、死亡は18,558人(29.0%)増えました。愛知県の自然減が始まったのは2016年で、まだ10年たっていません。2024年の出生数は1947年以降で最少、死亡数は1900年以降で最多です。合計特殊出生率は1.22(全国27位)でした。

日本人の移動でも、6年ぶりに転入超過へ

総務省統計局の住民基本台帳人口移動報告(2025年)では、愛知県は1,806人の転入超過となり、前年の転出超過から転じました。2019年以来6年ぶりの転入超過です。外国人を含む社会増加で見ると、前年に比べて社会増加数が最も拡大したのが愛知県でした。

同じ名古屋圏でも三重県は5,938人、岐阜県は5,429人の転出超過で、圏全体では9,561人の転出超過です。名古屋圏の中で人を集めているのは愛知県だけ、という構図になっています。

「人口が減っている=誰も来ていない」ではありません。愛知県で起きているのは、入ってくる人の数では埋めきれないほど、亡くなる人が生まれる人を上回っているという現象です。住宅の需要に直接効くのは前者(世帯の出入り)であって、後者ではありません。

69市区町村で、33.5ポイントの差がついた

愛知県は54市町村ですが、名古屋市を16区に分けると69の地域になります。この69地域について2020年から2025年の増減率を並べると、増えたのは17地域、減ったのは52地域でした。最上位の名古屋市中区(+15.6%)と最下位の豊根村(−17.9%)の差は33.5ポイントです。

図2 69市区町村の人口増減率(2020年→2025年)

名古屋市は16区に分けて69地域として並べた。最上位と最下位の差は33.5ポイント。

県平均は−1.2%だが、そこに収まっている地域はほとんどない。県平均で自分の物件の相場観を作らない。
※増減率が±0.0%の2町は、扶桑町が+3人、東郷町が−12人。
数値を表で見る
市区町村2020年2025年増減数増減率
中区93,100107,614+14,514+15.6%
東区84,39290,599+6,207+7.4%
長久手市60,16263,385+3,223+5.4%
中村区138,599145,841+7,242+5.2%
千種区165,245172,815+7,570+4.6%
高浜市46,10648,122+2,016+4.4%
日進市91,52094,740+3,220+3.5%
熱田区66,95768,005+1,048+1.6%
昭和区107,599109,184+1,585+1.5%
西区151,082153,147+2,065+1.4%
清須市67,35268,178+826+1.2%
瑞穂区108,332109,381+1,049+1.0%
豊山町15,61315,775+162+1.0%
あま市86,12686,552+426+0.5%
知立市72,19372,568+375+0.5%
大治町32,39932,450+51+0.2%
扶桑町34,13334,136+3±0.0%
東郷町43,90343,891−12±0.0%
守山区176,587176,201−386−0.2%
緑区248,802247,294−1,508−0.6%
大府市93,12392,485−638−0.7%
刈谷市153,834152,807−1,027−0.7%
みよし市61,95261,452−500−0.8%
尾張旭市83,14482,469−675−0.8%
北名古屋市86,38585,687−698−0.8%
安城市187,990186,353−1,637−0.9%
東海市113,787112,487−1,300−1.1%
岩倉市47,98347,386−597−1.2%
豊川市184,661182,525−2,136−1.2%
東浦町49,59648,958−638−1.3%
豊明市69,29568,382−913−1.3%
武豊町43,53542,921−614−1.4%
常滑市58,71057,832−878−1.5%
碧南市72,45871,349−1,109−1.5%
天白区164,817162,286−2,531−1.5%
南区134,510132,308−2,202−1.6%
北区162,956160,198−2,758−1.7%
名東区164,755161,962−2,793−1.7%
西尾市169,046166,200−2,846−1.7%
弥富市43,02542,235−790−1.8%
春日井市308,681303,120−5,561−1.8%
岡崎市384,654377,608−7,046−1.8%
幸田町42,44941,591−858−2.0%
中川区220,728216,302−4,426−2.0%
蟹江町37,33836,471−867−2.3%
豊田市422,330412,230−10,100−2.4%
知多市84,36482,095−2,269−2.7%
一宮市380,073368,755−11,318−3.0%
小牧市148,831144,181−4,650−3.1%
豊橋市371,920360,031−11,889−3.2%
大口町24,30523,501−804−3.3%
瀬戸市127,792123,514−4,278−3.3%
阿久比町28,38327,377−1,006−3.5%
飛島村4,5754,410−165−3.6%
稲沢市134,751129,885−4,866−3.6%
半田市117,884113,533−4,351−3.7%
江南市98,25594,137−4,118−4.2%
犬山市73,09069,940−3,150−4.3%
愛西市60,82957,808−3,021−5.0%
津島市60,94257,868−3,074−5.0%
田原市59,36056,352−3,008−5.1%
蒲郡市79,53874,931−4,607−5.8%
港区143,715132,755−10,960−7.6%
新城市44,35540,664−3,691−8.3%
美浜町22,49620,504−1,992−8.9%
設楽町4,4373,929−508−11.4%
南知多町16,61714,452−2,165−13.0%
東栄町2,9422,464−478−16.2%
豊根村1,017835−182−17.9%

出典:総務省統計局・愛知県「令和7年国勢調査 人口速報集計結果」(2025年10月1日現在)

増えた17地域は、都心・駅前・区画整理のいずれか

増えた17地域の内訳は3つに分かれます。名古屋市の8区(中区+15.6%・東区+7.4%・中村区+5.2%・千種区+4.6%・熱田区+1.6%・昭和区+1.5%・西区+1.4%・瑞穂区+1.0%)、名古屋に隣接する尾張の市町(清須市+1.2%・豊山町+1.0%・あま市+0.5%・大治町+0.2%・扶桑町+0.0%)、そして名古屋の東と西三河(長久手市+5.4%・日進市+3.5%・高浜市+4.4%・知立市+0.5%)です。

目立つのは、増えた地域の8つまでが名古屋市の中にあることと、県内で人口の多い上位の市(豊橋・岡崎・一宮・豊田・春日井)が1つも入っていないことです。規模の大きい市が伸びているわけではありません。

減り方が大きいのは東三河・知多南部・奥三河

地域2020年2025年増減率
豊根村1,017人835人−17.9%
東栄町2,942人2,464人−16.2%
南知多町16,617人14,452人−13.0%
設楽町4,437人3,929人−11.4%
美浜町22,496人20,504人−8.9%
新城市44,355人40,664人−8.3%
名古屋市港区143,715人132,755人−7.6%
蒲郡市79,538人74,931人−5.8%

5年で1割以上減った地域が4つあります。いずれも年率2〜4%のペースで、これは「じわじわ減る」という表現が当てはまらない速さです。

一方、人数の規模で見ると印象が変わります。いちばん多くの人が減ったのは名古屋市港区の10,960人で、豊橋市11,889人、一宮市11,318人、豊田市10,100人が続きます。率で危ないのは山間部と半島部、人数で大きいのは中核市と臨海部という二重構造です。

名古屋市の中でも、区によって23ポイント違う

名古屋市の人口は2,345,892人で、5年間で13,716人(0.6%)増えました。県内で唯一、まとまった規模で増えた自治体です。ただし16区に分けると、増えたのは8区、減ったのも8区で、最上位の中区(+15.6%)と最下位の港区(−7.6%)の差は23.2ポイントあります。世帯数のほうは1,181,671世帯で59,568世帯(5.3%)増えました。1世帯あたりの人数は1.99人で、すでに2人を割っています。

図3 名古屋市16区の人口増減率(2020年→2025年)

市全体では0.6%増えているが、区で分けると23.2ポイントの開きがある。

同じ市の中でも中区は15.6%増、港区は7.6%減。「名古屋市だから安心」という括り方は成り立たない。
数値を表で見る
市区町村2020年2025年増減数増減率
中区93,100107,614+14,514+15.6%
東区84,39290,599+6,207+7.4%
中村区138,599145,841+7,242+5.2%
千種区165,245172,815+7,570+4.6%
熱田区66,95768,005+1,048+1.6%
昭和区107,599109,184+1,585+1.5%
西区151,082153,147+2,065+1.4%
瑞穂区108,332109,381+1,049+1.0%
守山区176,587176,201−386−0.2%
緑区248,802247,294−1,508−0.6%
天白区164,817162,286−2,531−1.5%
南区134,510132,308−2,202−1.6%
北区162,956160,198−2,758−1.7%
名東区164,755161,962−2,793−1.7%
中川区220,728216,302−4,426−2.0%
港区143,715132,755−10,960−7.6%

出典:名古屋市「令和7年国勢調査 名古屋市の速報集計」(2025年10月1日現在)

増えた8区は中区・東区・中村区・千種区・熱田区・昭和区・西区・瑞穂区で、すべて都心か都心に隣接する区です。中区は5年間で14,514人増え、世帯数は18.4%増えました。ここで起きているのは「都心のマンションに世帯が集まる」という動きで、戸建てが増えているわけではありません。

減った8区は守山区・緑区・天白区・南区・北区・名東区・中川区・港区で、いずれも郊外側に住宅地を抱える区です。増えた区が都心側に偏り、減った区が外周に偏るという、きれいに分かれた形になっています。

世帯数が減った区は港区だけです(−2,764世帯・−4.3%)。それ以外の15区は、人口が減っている区でも世帯数は増えています。「名古屋市だから安心」でも「郊外区だから売れない」でもなく、区ごとに数字を見るのが正しい読み方です。

人口は減ったのに、世帯数は増えている

不動産にとっていちばん重要な数字は人口ではなく世帯数です。家は「人」ではなく「世帯」が借り、買い、住むからです。愛知県の世帯数は3,350,190世帯で、2020年より111,889世帯(3.5%)増えました

図4 人口と世帯数の逆行(2010年=100)

15年で人口は0.5%しか増えていないのに、世帯数は14.2%増えた。1世帯あたりの人数が2.53人から2.22人へ縮んだため。

人口世帯数
不動産の必要戸数を決めるのは人口ではなく世帯数。愛知県では、その世帯数がまだ増えている。
数値を表で見る
人口指数世帯数指数1世帯
2010年7,410,719100.02,933,802100.02.53人
2015年7,483,128101.03,063,833104.42.44人
2020年7,542,415101.83,238,301110.42.33人
2025年7,449,403100.53,350,190114.22.22人

出典:総務省統計局・愛知県「国勢調査」(2025年は人口速報集計値)

2010年からの15年で見ると差はさらにはっきりします。人口は0.5%しか増えていないのに、世帯数は14.2%増えました。1世帯あたりの人数が2.53人から2.22人へ縮んだためです。名古屋市に限れば1世帯1.99人で、すでに2人を割っています。

人口が減った市町村でも、世帯数はほとんど増えている

54市町村のうち世帯数が減ったのはわずか7市町村(蒲郡市・新城市・大治町・南知多町・美浜町・東栄町・豊根村)だけです。人口が減ったのに世帯数が増えた市町村は37あります。たとえば田原市は人口が5.1%減った一方で、世帯数は6.6%増えています。

市町村人口の増減率世帯数の増減率
高浜市+4.4%+10.4%
日進市+3.5%+9.3%
田原市−5.1%+6.6%
津島市−5.0%+2.6%
南知多町−13.0%−6.3%
豊根村−17.9%−10.3%

つまり愛知県では、住宅の必要戸数はまだ減っていません。県平均の地価が崩れていないのは、この世帯数の増加が支えているからです。

ただし増え方は落ちています。世帯数の5年増加は2015→2020年が+174,468、2020→2025年が+111,889で、約6割に鈍化しました。世帯数のピークは遠くありません

高齢化率25.9%は、全国より3.5ポイント若い

愛知県の65歳以上人口は1,931,319人・高齢化率25.9%です(2025年10月1日)。10年前の23.8%から2.1ポイント上がりましたが、全国の29.4%(2025年9月15日現在)と比べると3.5ポイント低い水準です。

区分2015年2025年10年の増減
0〜14歳1,025,122人(13.7%)886,516人(11.9%)−138,606人
15〜64歳4,680,299人(62.5%)4,635,968人(62.2%)−44,331人
65歳以上1,777,707人(23.8%)1,931,319人(25.9%)+153,612人

注目すべきは15〜64歳の生産年齢人口が10年でわずか44,331人(0.9%)しか減っていないことです。これが愛知県の強みで、社会増(転入超過)がこの層を補ってきた結果です。働く世代がほぼ維持されてきたからこそ、世帯数が増え、住宅の需要も保たれてきました

ただし、この構造は次の章で見るとおり2030年代に大きく変わります。

空き家率11.8%は全国平均を下回る。ただし中身を見る

令和5年住宅・土地統計調査によると、愛知県の空き家は43万3000戸・空き家率11.8%です。全国の13.8%より2ポイント低く、都道府県の中では少ないほうに入ります。放置空き家の指標である「賃貸・売却用および二次的住宅を除く空き家」の率も4.3%(全国5.9%)で全国平均を下回ります。

図5 市町村別の空き家率(上位8・下位8)

愛知県全体は11.8%で全国平均13.8%より低い。ただし市町村では6.2%から22.7%まで開く。

空き家率うち放置空き家(賃貸・売却用等を除く)
空き家率が高くても、その中身が賃貸用なら市場は動いている。名古屋市は空き家率13.2%だが、放置空き家率は3.4%で県平均を下回る。
数値を表で見る
市町村空き家率うち放置空き家率
南知多町22.7%15.2%
新城市21.2%11.1%
美浜町19.8%8.8%
豊山町17.2%5.2%
常滑市16.5%7.4%
武豊町15.2%9.8%
清須市14.8%6.3%
犬山市13.8%6.8%
豊橋市13.5%4.5%
名古屋市13.2%3.4%
蒲郡市12.9%4.6%
東海市12.8%7.8%
春日井市12.6%5.0%
大治町12.6%4.9%
津島市12.5%5.3%
西尾市12.5%4.6%
半田市12.3%6.3%
蟹江町11.6%4.1%
稲沢市11.5%6.1%
瀬戸市11.3%5.9%
大府市10.9%4.1%
豊川市10.6%4.9%
刈谷市10.6%6.1%
小牧市10.6%4.6%
江南市10.5%4.5%
長久手市10.5%1.6%
北名古屋市10.4%2.7%
岡崎市10.3%4.1%
一宮市9.9%4.6%
碧南市9.8%5.1%
愛西市9.8%6.5%
弥富市9.8%4.6%
田原市9.7%5.7%
尾張旭市9.6%4.6%
岩倉市9.6%2.8%
大口町9.4%2.5%
あま市9.3%5.5%
知多市9.2%4.8%
豊明市8.8%3.6%
みよし市8.8%2.1%
阿久比町8.8%6.1%
東浦町8.8%4.0%
豊田市8.7%3.2%
日進市8.6%2.9%
扶桑町8.4%3.7%
安城市8.3%2.3%
知立市8.3%3.0%
高浜市7.9%3.2%
幸田町7.9%1.5%
東郷町6.2%3.4%

出典:総務省統計局・愛知県「令和5年住宅・土地統計調査」(2023年10月1日現在)

「空き家率が高い=売れない」ではない

空き家率だけを見て判断すると読み違えます。名古屋市の空き家率は13.2%で県平均より高いのですが、その内訳は賃貸用の空き家が118,100戸で、放置空き家率は3.4%と県平均を下回ります。賃貸物件が多い都市では、入居者の入れ替わりの分だけ空き家率が高く出ます。市場が動いている証拠であって、危険信号ではありません。

逆に注意が要るのは放置空き家率が高い地域です。南知多町15.2%、新城市11.1%、武豊町9.8%、美浜町8.8%。ここでは「誰も住まず、貸しても売ってもいない家」が実際に積み上がっています。放置空き家が多い地域では、同じ条件の家が同時に売りに出る確率が高くなり、買い手が選べる立場になります

空き家率が低い地域の代表は東郷町6.2%、幸田町7.9%、高浜市7.9%、安城市8.3%、知立市8.3%です。いずれも世帯数が増えている市町で、人口動態と空き家率はおおむね対応しています。

2050年までに減るのは、働く世代

国立社会保障・人口問題研究所の地域別将来推計人口(令和5年推計)では、愛知県の人口は2030年7,345,554人/2040年7,049,961人/2050年6,676,331人と見込まれています。2020年比で866,084人(11.5%)の減少です。

図6 2050年までに何が減るのか(単位:万人)

総人口は2020年比で11.5%減る見込みだが、減るのは働く世代。65歳以上は約40万人増える。

15〜64歳65歳以上0〜14歳破線=推計
家を新しく買う側(生産年齢人口)が約100万人減り、家を手放す側(65歳以上)が約40万人増える。売り手と買い手の数が逆向きに動く。
数値を表で見る
0〜14歳15〜64歳65歳以上合計
2020年980,3884,654,6351,907,3927,542,415
2025年895,6324,609,2691,948,1977,453,098
2030年826,0124,510,5412,009,0017,345,554
2040年784,0864,013,4222,252,4537,049,961
2050年722,4643,649,0532,304,8146,676,331

出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」/2020年は総務省統計局「国勢調査」

この推計は、実際にほぼ当たっている

将来推計は「あくまで推計」と受け取られがちですが、今回はじめて答え合わせができました。社人研が2025年の愛知県を7,453,098人と推計していたのに対し、国勢調査の実績は7,449,403人。差は3,695人(0.05%)です。5年先を0.05%の誤差で当てている推計を、根拠のない楽観で割り引く理由はありません

減るのは買い手、増えるのは売り手

総人口の11.5%減という数字より重要なのは、その内訳です。2020年から2050年にかけて、

年齢区分2020年2050年増減
0〜14歳980,388人722,464人−257,924人(−26.3%)
15〜64歳4,654,635人3,649,053人−1,005,582人(−21.6%)
65歳以上1,907,392人2,304,814人+397,422人(+20.8%)

家を新しく買う側の生産年齢人口が約100万人減り、家を手放す側の65歳以上が約40万人増えます。同じ推計上で、高齢化率は2020年の25.3%から2050年には34.5%へ上がります。売り手と買い手の数が逆向きに動く——これが2030年代以降の愛知県で起きることです。

今の愛知県が「まだ世帯数が増えている」状態なのは、生産年齢人口が社会増でほぼ維持されてきたからでした。その前提が2030年代に崩れます

地価は5年連続で上昇。ただし66地域中7地域は下落

令和8年地価公示(2026年1月1日時点)で、愛知県の住宅地は平均132,100円/㎡・前年比+1.8%でした。5年連続の上昇です。ただし上昇幅は前年の+2.3%から縮んでいます。名古屋圏(愛知・岐阜・三重)の住宅地も+1.9%で、前年の+2.3%から縮小しました。参考までに、令和7年愛知県地価調査(2025年7月1日時点)の住宅地は平均119,900円/㎡・+1.6%です。

住宅地の標準地がある66地域(名古屋市16区+50市町村)で分けると、上昇55・横ばい4・下落7です。

区分地域
上昇率が高い熱田区+6.3%/東区+6.1%/長久手市+5.3%/中村区+4.1%/千種区+3.9%/昭和区+3.9%
横ばい豊川市/津島市/弥富市/飛島村
下落南知多町−2.7%/新城市−2.0%/美浜町−1.5%/田原市−1.0%/蒲郡市−0.6%/愛西市−0.5%/犬山市−0.2%

この下落した7地域は、いずれも人口増減率でも69地域中58位以下です。人口動態と地価はほぼそのまま対応しています

価格の水準そのものの開きも大きく、住宅地の平均価格は最高が名古屋市中区の1,253,000円/㎡、最低が南知多町の18,100円/㎡で約69倍です。「愛知県の住宅地は+1.8%」という県平均は、この69倍の幅を1つの数字に潰したものにすぎません。

この数字を、自分の家の売却にどう使うか

ここまでの数字を、売却の判断に落とすと3点になります。

① 見るのは人口ではなく「世帯数」と「放置空き家率」

人口が減っていても世帯数が増えていれば、その地域で家を必要とする単位は減っていません。愛知県では54市町村のうち47市町村で世帯数が増えています。逆に世帯数まで減り始めた7市町村(蒲郡市・新城市・大治町・南知多町・美浜町・東栄町・豊根村)と、放置空き家率が高い地域では、売りに出る家の数が買いたい人の数を上回りやすくなります。

② 「広い・古い・郊外」の3つが重なる家がいちばん時間を失う

1世帯あたり2.22人(名古屋市は1.99人)という時代に、4LDK以上・築40年前後・駅から遠いという条件が重なると、買い手の母集団が急に細くなります。増えているのは単身・2人世帯だからです。この条件に当てはまる家は、売れないのではなく「売るのに時間がかかる」と考えたほうが実態に合います。時間がかかる間も固定資産税と維持費は出続けます。

③ タイミングは「上昇の途中」だが、上昇幅は縮んでいる

地価は5年連続で上昇していますが、上昇幅は前年より縮小しました。そして支えている生産年齢人口は2030年代に減少が加速しますいま需要が強いのは名古屋都心と地下鉄・リニモ沿線、そして西三河で、それ以外の地域では上昇の勢いが先に止まる可能性があります。

県平均の数字を、自分の物件の判断材料にしないでください。 同じ愛知県内で、人口増減率は33.5ポイント、住宅地の平均価格は約69倍の開きがあります。判断に使えるのは自分の市区町村の数字と、その物件そのものの査定額だけです。当サイトのAI査定は、住所と物件情報を入力するだけで買取価格の目安を30秒で表示します(個人情報の入力は不要、営業電話もありません)。

出典:愛知県「令和7年国勢調査結果速報-市町村別人口及び世帯数-(2025年10月1日現在)」総務省統計局「令和7年国勢調査 調査の結果」名古屋市「令和7年国勢調査 名古屋市の速報集計」愛知県「あいちの人口 愛知県人口動向調査結果 年報(2025年)」愛知県「あいちの人口 年齢別人口」愛知県「2024年愛知県の人口動態統計(確定数)の概況」愛知県「平成27年 愛知県衛生年報」総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告 2025年結果」国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」愛知県「令和5年住宅・土地統計調査-住宅及び世帯に関する基本集計-」総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 調査の結果」愛知県「市区町村別平均価格・平均変動率一覧表(地価調査・地価公示)」国土交通省「令和8年地価公示の概要」(PDF)総務省統計局「統計からみた我が国の高齢者(2025年)」
※2025年の国勢調査は人口速報集計値です。確定値の公表により数値が変わることがあります。年齢別人口(2015年・2025年)は愛知県人口動向調査の推計人口を用いているため、国勢調査の総数とは一致しません。空き家率の市町村別は、市および人口15,000人以上の町村(50市町村)が表章の対象です。(2026年8月時点)

愛知県の人口動態と売却に関するFAQ

Q. 愛知県の人口は今後も減り続けますか?
A. 国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2050年に6,676,331人(2020年比11.5%減)まで減る見込みです。この推計は2025年の愛知県を7,453,098人と見込んでおり、国勢調査の実績7,449,403人との差は0.05%でした。ただし減るのは主に15〜64歳の生産年齢人口で、65歳以上は逆に約40万人増える推計です。
Q. 人口が減っているのに、なぜ地価は上がっているのですか?
A. 住宅の需要は人口ではなく世帯数で決まるためです。愛知県の世帯数は2020年から3.5%増えて3,350,190世帯になりました。1世帯あたりの人数が2.22人まで縮み、同じ人口でも必要な住宅の戸数が増えています。ただし世帯数の増え方は前の5年間の約6割に鈍化しており、この支えは永続しません。
Q. 名古屋市は人口が増えているので、急いで売らなくてもよいですか?
A. 名古屋市全体では0.6%増えていますが、16区に分けると増えたのは8区、減ったのも8区です。中区の+15.6%から港区の−7.6%まで23.2ポイントの開きがあります。市単位ではなく区単位で見てください。なお世帯数が減った区は港区だけです。
Q. 空き家率が高い地域の家は売れないのでしょうか?
A. 空き家率だけでは判断できません。名古屋市の空き家率は13.2%と県平均より高いのですが、その多くは賃貸用で、放置空き家率は3.4%と低い水準です。注意が要るのは放置空き家率が高い地域(南知多町15.2%、新城市11.1%、武豊町9.8%など)で、同じ条件の家が同時に売りに出やすくなります。
Q. 今売るべきか、数年待つべきか、どう判断すればいいですか?
A. 材料は3つです。①自分の市区町村の世帯数がまだ増えているか ②放置空き家率が高くないか ③住宅地の地価が下落に転じていないか。愛知県では住宅地の地価が下落に転じた地域が66地域中7地域あり、いずれも人口の減り方が大きい地域でした。まずは30秒の無料AI査定で自分の物件の水準を確認してから考えると、判断の精度が上がります。

県平均ではなく、
あなたの家の数字を見る

名古屋市・愛知県全域に対応。30秒の無料AI査定で「今いくらか」を確認できます。
個人情報の入力は不要、査定後に電話・メール営業は一切ありません。

📞 電話営業なし 💰 仲介手数料ゼロ 🏚 残置物そのままOK 🚉 遠方からでも相談可
🔍

まずは無料AI査定

物件情報を入力するだけ。
AIが買取価格の目安を30秒で表示します。

AI査定を試す(30秒・無料)
← AI不動産査定 買取版@愛知 トップに戻る